「気」は川の流れのように

青島大明
いつもお話しているように、気功の基本的な考え方は「不通則痛」という言葉で表されます。すべてのものが通じないと病気になる。しかしながら「気」をはじめ通じなくなってたものを通じさせることができれば、病気は治すことができるという考え方です。
これは、「気」を「水」に、通り道である「経絡」を「川の流れ」に例えて考えると、とても理解しやすいのです。
川は、水量が多く、障害物もなく流れているときには、濁りや澱みも少なく比較的きれいな状態を保っています。
一方、川が蛇行したり、川の中に岩や障害物が入り、流れのなかに緩やかなところができると、緩やかな流れの場所にはゴミや汚れが溜まりはじめます。さらに、川の流れが完全に止まる場所ができると、その場所は富栄養化し、腐敗がすすんでくさい臭いまで発することもあります。池や水たまりなどの水質が悪くなりやすいのも、水の流れが滞っていることが大きな原因です。そこで水質を改善させるために、機械的に水を循環させる方法をとる場合もあります。
病気も同じように、「経絡」のなかで「気」の流れが弱まったり止まった場所に、身体に合わない「悪い気」が溜まっておこります。
そこで私たちは、「気」の流れが止まる原因になる「経絡」の障害物などを取り除き、「良い気」を入れて通じるようにさせます。さらに、その後もずっと流れが滞ったり止まったりしないよう、「良い気」の量を増やし、「経絡」の中を「気」が流れやすいようにいつも調整するのです。
これらの作業が私たちが行う「気功」の施術であり、皆さんが毎日行っている大雁功や静功、部位別の気功法などの練功なのです。

【第7回:2010年11月3日(水)掲載】